おしらせ

日本財団が協定福祉避難所への助成事業開始

2023年9月28日(木曜)

鍵屋一

日本財団は、このたび、「協定福祉避難所」を充実させるための助成制度を新たに開始しました。 制度設計の際に、多少、相談を受けたことから、その概要をお知らせいたします。

対象となる協定福祉避難所はもちろんのこと、自治体にも知っていただき、積極的な活用を期待します。 なお、「指定福祉避難所」は対象外ですのでご注意ください。

募集要項URLは以下のとおりです。
https://www.nippon-foundation.or.jp/grant_application/programs/shelter-equipment

ここでは、大まかな内容をお示しします。

1.対象団体

  • 日本国内にて次の法人格を取得している団体のうち、自治体と「協定福祉避難所」として協定を締結している団体
  • 一般財団法人、一般社団法人、公益財団法人、公益社団法人、社会福祉法人、NPO法人(特定非営利活動法人)

2.申請の要件

  1. 自治体より福祉避難所として指定を受けていないこと。
  2. 福祉避難所として自治体との協定を締結していること。
  3. 発災時の自治体および福祉団体や医療機関、外部支援チーム(DWAT、DCAT等)との連携計画があること。
  4. 本事業による整備までに、地域の要配慮者ごとの個別避難計画の作成に向けて、自治体への働きかけ(自治体担当者への意見書提出など)を行うこと。
  5. 本事業による整備後1年以内に、要配慮者や自治体および連携団体との共同による避難訓練を実施すること。
  6. 当財団の助成を受けて本事業を実施した団体間によるネットワークに参加し、発災時における連携協力に向けて継続的に講習等を受講すること(概ね年間3回程度)。

◇鍵屋
この条件は、本気度を見たいというものです。特に、3点目の連携計画、4点目の個別避難計画への働きかけ、6点目のネットワーク化と講習受講の義務付けなど、災害時にしっかりと実動できることを条件としていて、他に類を見ない要件となっています。


3.対象となる事業および補助率・助成金の上限:

(1)機器整備事業

(a)バリアフリーに配慮した簡易トイレを整備するもの
(b)要配慮者を受け入れるために必要な発電機、蓄電池を整備するもの
(c)(a)と(b)のいずれかを整備する場合に限り、下記の物品を整備するもの
ベッド、災害用毛布、段ボールベッド、災害用エアマット、福祉避難所用間仕切り
補助率:80%以内 助成金の上限額(1施設当たり):450万円

◇鍵屋:
80%という助成率の高さに驚きました。また、災害時にはトイレと電源確保が最優先であることから、重点的に助成します。また、ごく小規模なものは実際の福祉避難所運営には役立たないので、必要十分な規格以上の機器を対象としています。たとえば、発電機については定格出力が3,000VA以上であること、蓄電池については容量2,000Wh、定格出力が2,000VA以上であること、が条件です。


(2)車両及び関連機器整備事業

EV(電気自動車)(充電スタンドを含む)、V2H、V2Lを整備するもの
補助率:80%以内 助成金の上限額(1施設当たり):300万円

◇鍵屋:
なお、国や自治体から補助金がある場合は、その補助金を使った後の残額の80%が対象となります。これによって、法人の自己負担がさらに少なくて済みます。


4.募集期間:

2023年10月2日(月)12:00~10月31日(火)17:00まで

◇鍵屋:
募集期間が1か月間と短いので、ぜひとも早めに検討をお願いします。


【参考】

福祉避難所開設・運営マニュアルの無償提供
福祉避難所の開設・運営を上手に行うためには、上記のような資機材とともに、マニュアル、研修、訓練が必要です。(一社)福祉防災コミュニティ協会は、自治体の研修で使っている福祉避難所開設・運営マニュアル(ひな型)をホームページで無償提供しています。
https://fukushi-bousai.jp/manual.html

これは、たとえば受付については、次のように具体的に記しているものです。ぜひご活用ください。

受付開始

受付は、避難者と福祉施設職員の初めての出会いの場です。避難者は大きな不安を抱えながら来ていますので、落ち着いて対応することが大切です。

  • 一般避難者には原則として小中学校などの避難所に行くように要請します。
    (一時的な滞在を許可する場合もあります。)
  •  避難者カード【3.2.⑵ 避難者カード】による受付を行います。
  • 多数の避難者がいるときや受付スタッフが少ないときは、名前を聞き取って吊り下げ名札にカタカナで名前を書いて、首にかけてもらいます。

※ 避難者に「避難者カード」を記載してもらいますが、難しい場合は施設職員が聞き取りをしながら記入します。
※ 名簿作成時には、特別な食事への配慮(アレルギーがある、乳幼児でミルクや離乳食が必要など)、医療的な配慮・介助が必要か否か、持病、障害、どんな薬を飲んでいるか可能な限り申告してもらいます。
※ 避難者の安否照会、食料や物資の数量は、避難者名簿の避難者数をもとに行うので、非常に重要です。
※ 福祉避難所の専有面積は、一坪(3.3㎡)あたり1名のため、「毛布の幅」を目安に1名の占有場所とします。家族等同行者用スペースにも配慮します。なお、コロナ禍等感染症流行期においては4㎡以上を目安とします。

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