2023年6月3日(土曜)
跡見学園女子大学教授
(一社)福祉防災コミュニティ協会代表理事
鍵屋 一
昨日から令和5年梅雨前線による大雨及び台風第2号災害で被災された皆様に、心からお見舞いを申し上げます。
多くの住宅街で床上床下浸水、道路の冠水、土砂崩れなど広範囲に多くの被害が出てしまいました。土中に雨の量が多い時に強い雨が降ったり、その雨が収まった後でも土砂災害が発生する可能性があります。復旧活動をされている方々におかれましても、引き続き厳重にご注意くださいますようお願いいたします。
被災者のみなさまは、呆然とされていることと存じます。そして、できるだけ急いで片付けようとされるかもしれません。でも、片付けは少し落ち着いてからで大丈夫です。近所の方と話をされながら、ゆっくりと進めてください。急いでやるべきことは、家の四方から被害の写真を撮り、証拠を記録することです。まもなく、ボランティアが駆けつけてくれますので、遠慮なく支援をお願いしてください。
メディアの方々には被災者、被災者、被災自治体支援の観点からの報道をお願いいたします。
災害直後は、事前の対策がどうだったかなど検証している場合ではありません。被災者はもとより自治体、防災関係団体は、次の被害を最小限度にとどめるため、全力を尽くさなければならないからです。
また、自治体、福祉関係者、自主防災会の方には、在宅高齢者、障がい者等の早期見守りと支援活動に取り組んでいただけますよう切にお願いいたします。今は、高齢者、障がい者等の見守り支援により災害関連死の防止が最も重要です。居宅支援の福祉関係者は高齢者等の体調の変化に気遣い、支援物資などを届けながら、具合が悪そうでしたらすぐに保健師などに連絡をお願いします。また、落ち着かれたら、生活支援や再建に関する重要情報を在宅避難者らにお伝えください。
参考 『水害にあったときに~浸水被害からの生活再建の手引き~』
日常生活を取り戻そうと考え始めたときに有効です。イラストが多く、保険の請求、浸水した家屋の泥出し・乾燥などのポイントがとても分かりやすいです。(「震災がつなぐ全国ネットワーク」作成)
チラシ版(A4版4頁)
水害被害にあった際の必要最低限の情報を掲載しています。
まずはこれを印刷して配布をお願いいたします。
冊子版(A5版32頁)
冊子版では、写真やイラストを用いて、
1.まずは落ち着いて(ある程度の期間がかかるので慌てずに)
2.必要な手続き(役所や保険会社、税務署など手続きもいろいろ)
3.家屋のかたづけと掃除(何をどうすればいいのか写真とイラストで解説)
4.水害からの生活再建「私の場合」(被災者の生の声を掲載)
という構成で、水害にあった際の対応について情報を掲載しています。
冊子・チラシを補完する「水害後の家屋への適切な対応」(A4版4頁)
これまでの冊子・チラシを補完するため、より具体的な水害後の家屋への適切な対応が書かれています。直後の応急対応にはとても役立つものです。
上記、すべては以下の「震災がつなぐ全国ネットワーク(震つな)のblog」からダウンロードできます。