おしらせ

「令和6年能登半島地震」災害関連死の防止に向けて重要な対策を!

2024年1月2日(火曜)

(一社)福祉防災コミュニティ協会代表理事
鍵屋一

はじめに

この度の令和6年能登半島地震で被災されたみなさまに心からお見舞い申し上げます。

元日の夕方の地震、その後の津波避難などでご不安が多いかと存じます。
中でも、非常に心配なのがハイリスク医療患者、高齢者、障がい者のみなさまです。災害関連死を防止し、生活再建を進めるためにも、今の段階でなすべきこと、考えておくべきことをまとめましたので対策に生かされることを切望します。

1.人工呼吸器、透析患者

地震によってライフラインが停止すると、人工呼吸器や在宅血液透析等で在宅医療を受けている人の生命維持が特に重要です。

人工呼吸器や透析患者の課題は、阪神・淡路大震災以来、ずっと言われ続けています。
元日の被災により病院、保健所、訪問看護、支援団体、機器メーカなどが十分に動けないのが心配です。地元の保健師、訪問看護師等が連携して最優先で対応してくださると思いますが、ここは行政による十分なサポートをお願いします。

2.高齢者、既往症患者等

高齢者や既往症を持つ人などが、避難所等の慣れない環境での生活により、病状が悪化し、あるいは、体調を悪化させて発症し、亡くなる可能性があります。(過去の 震災では、震災関連死と認定された被災者の6割以上が既往症(要介護認定、薬服用等)を持っていました。)

熊本地震での震災関連死内訳令和3年3月末時点218件(更新)出典:熊本地震の発災4か月以降の復旧・復興の取り組みに関する検証報告書、R3.4.9報道発表
図1 熊本地震での震災関連死内訳令和3年3月末時点218件(更新)
出典:熊本地震の発災4か月以降の復旧・復興の取り組みに関する検証報告書、R3.4.9報道発表

熊本地震震災関連死 死亡時の生活環境区分、出典:熊本地震の発災4か月以降の復旧・復興の取り組みに関する検証報告書 R3.4.9報道発表表2 熊本地震震災関連死 死亡時の生活環境区分
出典:熊本地震の発災4か月以降の復旧・復興の取り組みに関する検証報告書 R3.4.9報道発表


熊本地震では1週間以内に亡くなった方は、53名に上ります。亡くなった場所をみると「避難所」は10名、最も多いのは「発災前と同じ居場所に滞在中の場合【自宅等】」で81名です。

一刻も早く在宅高齢者のアセスメント、見守り支援、病院への緊急連絡、搬送をできる仕組みを作る必要があります。ただ、災害時に多忙を極める自治体職員のみで実施するのは困難です。

そこで、社会福祉協議会は地域支え合いセンターを早急に設置し、在宅の高齢者・障がい者、特に独居の高齢者を近隣住民や地域包括センターなどの地域福祉職員、福祉事業者、そしてボランティアと一緒に巡回相談、支援活動をお願いします。

福祉施設はできれば福祉避難所を開設して、生活が困難な高齢者、障がい者等を自主的にでもよいので受け入れて頂きたい。

ボランティアは地域事情には疎いかもしれないが、荷物をもったり支援物資を配ったり、状況を記録したりできるし、何より被災者支援への熱意があります。

3.誤嚥性肺炎の防止

避難生活中に、水不足や歯ブラシ等衛生用品の不足等から、口腔内に病原菌が発生することで誤嚥性肺炎を発症し、治療が遅れた場合は死亡する場合があります。(1月17日という寒い時期に発生した阪神・淡路大震災では、関連死の原因として最も多いのが肺炎でした。極端な水不足による歯磨きの困難や、義歯を紛失した結果、誤嚥性肺炎を発症したケースも多いと考えられています。)

誤嚥性肺炎は、エコノミークラス症候群ほど知られていませんが、極めてリスクが高いのです。これも高齢社会ならではのリスクです。誤嚥性肺炎は避難所はもとより、初期段階で高齢者の自宅を訪問し、歯ブラシと洗口液を配布することで相当程度予防できるはずです。

おわりに

現状では、自治体は避難所運営、物資で手一杯になっており、避難所外避難者を支援する計画を持っている自治体はほとんどありません。

まずは、社会福祉協議会、自治体、保健医療福祉関係者に在宅のハイリスクの高齢者、障がい者の見守り支援体制を作られることをお願いいたします。

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